金庫の耐久性について

購入した金庫の耐久性について、考えた事はありますか?耐火金庫には、有効耐用年数が設定されていることはご存知でしょうか?
ここでは金庫の耐久性について、特に重要な耐火性能と、長く安全に使うためのポイントを中心に、分かりやすく説明します。
耐火金庫の有効耐用年数

耐火金庫には「製造後20年」という有効耐用年数が設定されています。これは、日常的に問題なく使用できていたとしても、製造後20年を過ぎると、本来の耐火性能を発揮できなくなる可能性が高くなるからです。
なぜ耐火金庫には有効耐用年数があるのか?

耐火金庫は火災から収納物を守るため、外箱と内箱の二重構造となっており、その間に耐火材(水分を多く含んだコンクリート)が充填されています。
耐火金庫は火災発生時、この耐火材に含まれる水分が熱によって水蒸気となり、金庫内に噴出されることで金庫内部の温度を下げ、収納物を守る構造になっています。
この水分量は時間が経つにつれて徐々に消失され、製造後20年が経過すると約20%が消失されます。そのため、水分量の低下とともに、金庫本来の耐火性能も低下することになります。
もし現在お使いの耐火金庫が製造から20年近く経過している場合には、耐火材がその性能を発揮できない可能性があるので、早めに新しい金庫への買い替えをおすすめします。
耐火性能を維持させるために注意しておきたいポイント

耐火金庫は上記の理由から、製造後20年の有効耐用年数の設定がされていますが、本来の耐火性能を維持させるために、以下の点に気を付けましょう。
1.湿気の多い場所を避ける
床下の通気口近くや、結露しやすい壁際や窓際に設置すると、外側の鋼板がサビたり、耐火材の劣化が早まる可能性があります。こうした湿気の多い場所への設置は、できるだけ避けるようにしましょう。
2.床が水平ではない場所への設置
床が水平でない場所へ設置すると、扉の開閉がスムーズにできなくなり、場合によっては、カンヌキが噛み合わなくなる可能性があります。金庫は水平な場所へ設置するようにしましょう。
3.定期的な金庫の開閉
いざ必要と言うときに金庫が開かないことがないよう、金庫は定期的に開閉することをおすすめします。金庫の使用頻度が少ない場合には、開閉をする際、テンキーやダイヤル、カンヌキなどの動作部に問題がないかどうか、確認をしましょう。特にテンキー式の金庫の場合は、暗証番号忘れがないかの確認や、6ヶ月~1年を目安に、使用するすべての電池を交換しておくことがおすすめです。
また耐火金庫は、耐火材からわずかに放出される水分の影響で、庫内に湿気がこもることがあります。長期間閉め切ったままにすると金庫内部の湿度が高くなりますので、定期的に扉を開けて、空気を入れ替える(換気する)ことで、内部に溜まった湿気を逃がすことをおすすめします。
操作部の耐久性

耐火性能の有効耐用年数とは別に、ダイヤル式やテンキー式といった操作部の耐久性もポイントです。
一般的にテンキー式ロックは、電子部品であるため、使用頻度や設置環境などにより、経年劣化が生じる場合もあります。長く安心してご使用いただくためにも、日頃から以下の点にご注意ください。
1.定期的な電池交換
先にも述べましたが、 使用するアルカリ電池は6ヶ月から1年で、定期的に交換することがおすすめです。金庫の使用頻度が低く、「まだ動くから」と同じ電池を入れたままにしてしまうと、稀に液漏れが生じる場合があります。電池は残量に関わらず、使用するすべての電池を定期交換しましょう。
2.定期的な暗証番号の変更
特定の数字ボタンだけが摩耗するのを防ぐためにも、定期的に割り当てる数字の組み合わせの変更や、押す数字の順番を変えるようにしましょう。そうすることで、テンキー全体の劣化防止や、定期的な暗証番号変更により、セキュリティ面でもその安全性が高まる効果が期待できます。
3.濡れた手で触らない・スプレー式の掃除をしない
テンキー操作部は精密機器です。水分や、市販の洗剤スプレーを直接吹きかけると内部基盤がショートする原因になります。掃除をする際は、固く絞った柔らかい布で拭く程度に留めるようにしましょう。
またシリンダーキー式の金庫では、鍵や鍵穴内部が経年とともに摩耗・変形する可能性もあり、力任せに鍵を回すと、鍵が中で折れてしまう場合もあります。定期的に鍵の溝を清掃することや、鍵が廻りにくくなった場合は、鍵専用の潤滑スプレーを使用することで、改善されるかを試しましょう。一般的な潤滑油スプレーを鍵穴に使用すると、最初は滑りが良くなりますが、すぐに鍵穴内部のホコリや削りクズを吸着してしまい、その部分が固まってしまうことで、故障につながりますので、ご注意ください。
万が一、金庫が開かなくなってしまったときの対処方法

金庫が開かなくなった際は、以下の手順を試してみましょう。
1.正しい手順の開け方をしているかの確認
テンキー式ロックであれば正しい暗証番号を入力しているかどうかの確認や新しい電池への交換を行いましょう。ダイヤル式であれば、ダイヤルの回し方に誤りがないかどうか、慎重に確認しましょう。
2.緊急解除キーの確認(テンキー式の場合)
テンキー式ロックの中には、電池切れや操作部トラブルが起きたときのために、「緊急解除キー」が付属しているモデルがあります。手元にこの鍵があれば、物理操作で解錠が可能です。
3.扉を強く押し込みながら操作してみる
庫内に物を詰め込みすぎていて、カンヌキが引っかかってしまい、解錠できない場合があります。扉をグッと奥へ強く押し込みながら、あるいは少し持ち上げながら鍵やダイヤルを回すと、解消する場合があります。
4.メーカーや専門業者への依頼
上記を試しても開かない場合には、無理にこじ開けようとせず、メーカーや鍵の専門業者に連絡し、修理・解錠の相談をしましょう。こうした場合に備えて、金庫を購入する際には、アフターサービス体制のあるメーカーの製品を検討することをおすすめします。

ディプロマット製金庫の保証期間は18ヶ月です(一部製品は12ヶ月)。アフターサービスは、安心のカスタマーサービスセンターが対応します。
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著者:菅谷 浩行
ディプロマット・ジャパン株式会社 金庫診断士
金庫の販売・導入サポートを通じて蓄積した実務経験をもとに、
家庭用・法人向けを問わず、金庫選びや使い方、防災・防犯に関する情報を発信しています