あなたの金庫は大丈夫?金庫の寿命と耐火・耐水の性能

地方などに行くと、地元の名士の家には広い敷地のなかに独立した建物としての納戸があって、その中に先祖代々から伝わるたくさんのものが保管されている、そんな光景をよく目にしますね。納戸の中にはいかにも古い黒光りする大きな金庫が鎮座していて、家宝と言われるような品々が収められている。どう少なく見積もっても50年は経っている金庫。いざというときに役に立つのでしょうか。
ここでは金庫の寿命について考えてみることにしましょう。

金庫の機能と寿命

金庫には大きく分けて次の2つの機能があるといわれています。

・防盗機能

・耐火機能

防盗機能は、金庫自体の材質を強化して「こじ開け」をしにくくするものや、設置面に固定するなどして「持ち去り」をしにくくするものがほとんどですから、設置場所の環境などにもよって金属の腐食などによる劣化はあるかもしれませんが、それ自体に耐用年数のようなものはとくにありません。

しかし、もうひとつの耐火機能の方は、寿命が20年といわれています。なので、それ以上長い期間使い続けている金庫は、いざというときの耐火機能を期待するのであれば、買い替えが必要です。

耐火金庫のしくみ

金庫は金属のかたまりと思っている人もいるかもしれませんが、実は金属の下は発泡コンクリートという耐火材がはいっていて、金庫自体はこの発泡コンクリートに覆われている状態になっています。昭和40年代から現在までのほとんどの耐火金庫はこの構造になっています。

発泡コンクリートは、その名の通り内部に気泡を多く含んだコンクリートで、もともと多くの水分を含んでいるため断熱効果があります。火災発生時など高熱にさらされたときには、この水分が蒸発して、その気化熱が金庫内の温度を下げる効果を発揮します。さらにこの蒸発した水分は蒸気となって隙間から金庫外に吹き出すため、炎が庫内に侵入するのを防ぎます。これが1,090℃の炉で加熱されても、一定時間庫内の温度を177℃に保つことができる耐火金庫の耐火のしくみです。

もともと発泡コンクリートに含まれている水分には、コンクリートの成分と結合して消失しにくい結晶水と単にコンクリートが含んでいるだけで消失しやすい自由水とがあります。しくみを知ればわかるとおり、金庫が耐火性能を維持するためには、発泡コンクリートに含まれる水分量が非常に重要となりますが、年月が経つとこの自由水が徐々に失われていき、製造後20年で全体の水分量が約20%程度減少することがわかっています。これが耐火金庫の寿命は20年といわれている所以です。

それより古いもの、たとえば戦前のものは耐火材としてこの発泡コンクリートの代わりに砂が使われています。また、戦後から昭和30年代くらいまでは粉末にした珪藻土が使われていました。最近ではすぐに乾くバスマットやコースターなどに使われているあの珪藻土です。これらのタイプのものはすでに耐火材が経年変化によって劣化し、もともとの状態で機能することができなくなっている可能性が非常に高いため十分な耐火機能を発揮できないものが多いといわれています。

金庫の製造年月日の調べ方

金庫の型式や製造番号は、金庫本体の正面右下や内側左などに表示されていることが多いです。製造番号のアタマ2桁には製造年が使われていることが多いので、まずそこを確認しましょう。製造番号がそうした形式になっていない場合は、メーカーに型式と製造番号を伝えれば、製造年月日を教えてくれますので、それで確認しましょう。

今ある金庫が製造後20年を超えていたら買換時です。

金庫も年々進化しています。

とくに1995年の阪神・淡路大震災以降、耐火性能試験の基準が厳しくなっていますので、金庫の耐火性能も格段にあがっています。

ディプロマットでは優れた独自の耐火材『STYRONTEF』を全ての耐火金庫に使用しています。また、デザイン性の高いインテリアに溶け込むような金庫も登場してきています。

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